太陽光発電は容量が重要?「発電容量」について分かりやすく解説
太陽光発電について調べていると専門的な表現が多く理解に難しい内容が出てくるかと思いますが、ご自宅に設置したい場合にチェックしていただきたい情報が「発電容量」です。本記事では、発電容量が何を示し、なぜ知らなければならない情報なのか等詳しく解説しますのでぜひご参考ください。
kWとkWhって何が違うの?
「kW」は流れる電力の大きさのことです。kWはその瞬間に流れる電力なので、実際の消費電力とは異なります。「kWh」は一定時間あたりに使われた消費電力量のことです。1kWhは1kWの機器を1時間(1h)使ったときの消費電力量ということになります。
つまり、太陽光発電パネルの「容量(kW)が大きければたくさん発電する能力がある」ことを意味し、結果的に「発電された一定時間あたりの電力量の単位がkWh」と表記されるということです。
そして、太陽光発電関連で容量として記載されるのが、パワーコンディショナの容量です。こちらもパネルのときと同じくkWで表記されます。太陽光発電の設置の際には経済産業省への申請が必要ですが、この時提出するルールとしてパネルの容量とパワーコンディショナの容量のうち、低い方の値を提示しますのでご注意ください。
発電量を決めている大切な要素
太陽光パネルの発電能力を定める要素は以下の通りです。
- 1.パネルの設置面積
- 2.変換効率
- 3.環境
パネルの設置面積
発電量(kWh)に直結するシステム全体の発電能力(kW)を決めるのが、パネルの設置面積、もしくはパネルの枚数です。設置面積が広ければ広いほど、システム全体の発電能力も大きくなります。
例えば、1枚あたりの容量が500Wの太陽光パネルを10枚設置した場合、500W×10枚=5000W(5kW)ですので、同じ容量のパネルを5枚設置するよりも全体の発電能力が増えるのがわかるかと思います。
この発電能力の数値が高くなれば実際の発電量も増すことが予想されます。実際の発電量を予測するための計算については後に「発電量を予測してみよう」で説明いたします。
変換効率
変換効率には主に、モジュール変換効率とセル交換効率を指しますが、発電量にかかわるのはモジュール変換効率と呼ばれるものです。
モジュール変換効率とは太陽光パネルが1㎡あたりに光エネルギーから電気エネルギーへ変換する割合を示す数値で、変換効率が高ければ設置面積が小さくてもより多くの発電が見込めます。
環境
名前の通り、太陽光発電には太陽の光が必須ですので、雨の日よりも晴れの日のほうが発電には向いている、といったように設置されている環境に大きく影響を向けます。環境は天候以外にも、季節や地域、時間帯を含み、効率よく発電するために太陽光発電にとって最適な環境を知ることが大切なので、それぞれ解説いたします。
まず、季節ですが、太陽光パネルは一概に、高温に弱く、気温が高い日には変換効率が落ちるという面を持っているので、日射量は多くても気温が高い夏場には発電量が下がり、4月~5月までが最も発電するということとなります。
次に地域です。先述したように、太陽光発電には太陽の光が必要なために、天候にその発電量を左右されます。太陽光システム購入時にメーカーが提示していた変換効率で発電できる1日の電力量を100とした場合、各天候での発電の割合は以下のようになります。
発電の割合 | |
---|---|
晴天:100% | 100% |
曇天 | 約30~50% |
雨天 | 約10% |
雪 | ほぼ0 |
雪が降る地域もあれば降らない地域もあるため、各地域が持つ天候の特色と日射量は深く関係しているともいえます。
この地域ごとの日射量を確認する簡単な方法は、アプリケーションの「NEDO日射量データベース」をNEDO公式HPのページよりダウンロードいただくか、気象庁公式HPの「過去の気象データ検索」から地域ごとにまとまられた近年の日射量平均をご確認いただくか、の2つとなります。
最後に時間ですが、これはそもそもルールとして太陽光発電が発電できる時間帯は9時から17時とされていて、さらに、最も日射量が多い時間帯は13時~14時と言われています。
発電量を予測してみよう
ネット上には発電量シミュレーターができるサイトも多く、発電量が分かれば初期費用を回収しきるまでのおおよその期間がわかります。
まとめ
以上が太陽光発電に関わる容量の解説です。太陽光発電システム導入の際に、どれくらいの電力を発電したいかを考慮し購入する製品やソーラーパネルの枚数等を選択するとより太陽光発電を効率よく活用可能ですので、ぜひご参考ください。